かつて徳川家康に、こんなことがあったと伝えられています。
家康のエピソード
あるとき家康が、本多忠勝、大久保忠勝などの、戦で大活躍だった家臣たちを集めて、手柄話をさせていました。
ところがしばらくすると、家康は急に、それまでとは関係のない話題を持ち出します。
「この世で一番美味しいものは何だ?」
突然の問いかけにも関わらず、家臣たちは次々と答えます。
「やっぱり新鮮なネタのお寿司じゃないでしょうか?」
「私はジンギスカンが一番だと思います」
「いやいや、サックサクの天ぷらでしょう」
家臣たちは色々と意見を言いますが、家康は納得しません。
「名古屋のひつまぶしも美味しいですよね」
「炭火で焼いた仙台牛は絶品です」
「何だかんだ言って、日本酒が一番美味しいです。」
次から次へと答えていきますが、家康は満足していない様子。
ところがちょうどそこには、家康がかねてから賢いと評価していた、局のお梶という若い女性がニコニコしていたので、家康はお梶に尋ねます。
「そなたはどうじゃ」
お梶の驚くべき答え
するとお梶はこう答えました。
「この世で一番美味しい物、それは塩でございます」
家康は「なるほど」と感心した様子で、続けて尋ねます。
「では、この世で一番まずいものは何だ」
するとお梶はこう即答します。
「それも塩でございます」
これを聞いた家康は「さすがはお梶じゃ」と満足したといわれます。
なぜお梶の答えが、家康をうならせたのでしょうか。
家康が感心した理由
確かに、塩味がなかったら、料理は味気なくて、美味しく食べることはできません。おしるこなどの甘い料理にさえも塩が入っていて、甘さを引き立たせるくらいです。
料理どころか、スイカも、塩をまぶすと甘さが引き立つほどの凄さです。
しかし逆に、塩を入れすぎたらどうでしょうか。
肉じゃがとか、ごまあえとか、何でもいいのですが、一品料理に塩が通常の10倍入っていたら、塩分の取りすぎで身体にもよくないですし、塩辛すぎて、とても食べられたものではありません。
ですから、最もまずいものにもなってしまいます。
このように、同じ塩でも、美味しくなったり、まずくなったりするのです。
では、何によって、塩が美味しくなったり、まずくなったりするのでしょうか。
味を左右するのは?
塩は味の材料に過ぎないので、それは塩加減を調整する料理人の腕によります。料理人の腕次第で、料理が美味しくなったり、まずくなったりするのです。
たとえ最高級の食材を使っていても、腕のない人が作ったら美味しくない料理になってしまいますし、どこにでも売っている普通の食材でも、最高の料理人が使えば美味しい料理ができあがります。
これは人生にも同じことが言えます。
人生を左右するもの
現代は、お金や科学技術など、人生を幸せにする材料はたくさんあります。地位や名誉にしても、家や車、土地などの財産にしても、恋人や家族にしてもそうです。
人生を幸せにする材料には事欠かないのですが、それを料理する腕がないと、どんなにお金があっても、科学が進歩しても、満たされない、不安な人生になってしまうのです。
材料集めより重要なこと
みんなお金を稼いだり能力や美容の向上に力を注いだり、色んな経験を積んだり、材料集めに一生懸命ですが、幸せになるためには、それらを何のために、どのように使うかが重要です。
そのためには私たちは何のために生きるのかという本当の生きる意味を知らなければなりません。それは仏教に教えられています。
では、その私たちの生きる意味とは何か、について、今回、スペシャルレポートにまとめましたので、まだご覧になっていない場合は、下の申し込みフォームからお申し込み下さい。